熱い夏に欲しくなったり、疲れた後「プハっ」と言いたくなるビール。
今回は意外に知らないビールの意外と知らない常識について書いていきます。
ビールといえば、「黄金色で透明感があり、苦味がある炭酸のお酒!」と答える人は多いと思います。
しかし、ビールには様々な種類があり、色だけでも赤から黒まであり、アルコール度数も10%の者もあります。
フルーティーな香りや香ばしい香り、甘い味など様々です。
実は、広い領域のお酒なんです!
そんな宅飲み御用達のビールについて詳しく解説していきます!
銘柄は1万本以上。世界で愛されるビール達
ビール作りは世界で行われています。聞いたことあるところだと、ドイツはビールで有名!と聞いたことあるかも知れません。
世界で一番飲まれているお酒ということで、今も進化をし続けているビールたち。
主に欧州、北米、アジアが名産と言われています。
ヨーロッパ
歴史と伝統に彩られたビール。
イタリアやスペイン、フランスなどブドウが取れるところはワインが発達しました。
一方、それより北にある地域では、麦による酒造りが行われています。
ドイツ、チェコ、ベルギー、イギリス、アイルランドはそれぞれの特徴のあるビールが発達しました。
ドイツ
現在日本で最もポピュラーなスタイルの低温長期熟成ラガーは15世紀の南ドイツで誕生したビールです。
黄金色で、喉越し爽やかなラガービールは人々を魅了しました♪
ドイツビールの美味しさは、なんと言っても「ビール純粋令」にあります。
ビールの原料を「麦芽、ホップ、水、酵母」に限定したものです。
これにより、名の通り純粋なビールを楽しむことができます。
そんなドイツビールおすすめは下記から♪
ベルギー
ヨーロッパの小国ベルギーは、1000以上の銘柄を持ち、国民一人当たりのビール消費量は日本の1.6倍なのが特徴。
ベルギーにはゲルマン系のフランデレン人とラテン系のワロン人の2つの民族がくらし、オランダ語、フランス語、ドイツ語の3カ国語を公用語にもつ多国籍国家です。
こうした民族の違いを受け、ビールも様々で多種多様。
また、ベルギービールには、ハーブやスパイスを用いたものも多く、自然発酵のビールはベルギーが得意としております。
エールともラガーとも違った味が楽しめるのもポイントです。
イギリス・アイルランド
エールビールの本場、イギリス・アイルランド。
これらのビールは、全体的に優しさと味わいのあるもの、ロースト感、アルコール感のしっかりとしたものがあり、ゆっくり会話を楽しむためには、最適のビールです。
アメリカ
一番進化を遂げたビール。
北アメリカの先住民は全く酒造文化を持たなかったため、入植者達が母国のスタイルを元にし、ビールを作り始めたのが始まりと言われています。
現在はクラフトビールの先駆国的な存在で、ビール業界を引っ張っていっています。
アジア
日本人の口に最も合うビール。
北米と同じく、ヨーロッパから持ち込まれたのが、始まりと言われており、ライトカラーのラガーが主流となっています。
台湾やインドネシア、中国は歴史自体は浅いものの、独自の気候を生かしたラガータイプを数多く輩出しています。
香辛料のきいた料理にアジアビールは最高!
日本
もちろん日本もビール文化は発達しています。
日本には主に6社の企業が引っ張っています。
現在の大手は、キリン、アサヒ、サッポロ、エビス、サントリー、オリオンの6社です。
どれも個性があり、日本のビール業界を引っ張ってきた企業の裏側も解説しています。
知れば飲みたくなるビールのスタイル
ビールには「スタイル」と呼ばれるものがあります。
日本では、黒ビールタイプとか「タイプ」と呼びますが、世界的には「スタイル」とよびます。
スタイルは大きく分けて3つあります。
「エール(上面発酵ビール)」「ラガー(下面発酵ビール)」「自然発酵ビール」の三つです。
さらに細かく、発祥国や色、アルコール度数などに細かく分けられていきます。
スタイルを知れば、開栓しなくてもある程度味がわかる様になります。
それは、ビールの銘柄やラベルには、スタイルを表す言葉が使われているからです。
スタイルを知るための専門用語
ビールを表現するためにテイスティング用語があります。
このテイスティング用語さえ抑えておけば、ビールマスターへの一歩といえます。
ビールの歴史
メソポタミアから5000年の歴史を持つビールは、ヨーロッパで大きく鼻開き、今や世界中で飲まれているビールといえます。
古代
ビールの誕生。最古の文字記録は紀元前の3000年ごろで、メソポタミアのシュメール人がくさび型文字で年度版に刻んだのが始まりだといえます。
麦芽の粉を焼いたものを水にとき、自然発酵させたのが始まりです。
ゲルマン民族は宴会が盛んで、ビール愛していたと言われています。
ワインを愛するローマ人は毛嫌いしていましたが、4世紀後半のゲルマン人の大移動で、ビールがヨーロッパに広まっていきます。
中世
キリスト教の布教によってビールはさらに広まっていきました。
8世紀後半にカール帝国が西ヨーロッパを統一した際に、征服した土地に修道院を作りキリスト教を広めます。
その際に、ワインまたはビールの製造を義務付けます。これで、ワインとビールは同格の地位を得ました。
修道院では、巡礼や修行僧への栄養補給にビールが重宝され「液体のパン」として広く親しまれていました。
そして時は経ち、1516年に「ビール純粋令」が発表されます。
これは、ビールの原料は、大麦麦芽とホップと水だけと定めたもので1556年には酵母も含まれました。
世界最古の食品品質保証であり、現在もドイツでは、原則守られています。
近代・現代
近代ビールの3台発明が生まれました。
1つ目は1873年の「アンモニア冷凍機」であり、醸造の季節が今まで冬でしたが一年中可能に。
2つ目は、「低温殺菌法」です。これはビールに最も効果的と言われ、保存期間や輸送範囲が広がる革命的な出来事でした。
3つ目は、「酵母の純粋培養方法」です。これにより均一で良質なビールを大量で生産可能になりました。
この3つにより、大衆飲料への道を切り開いていきました。
ビールの市場は現在も成長しています。
世界のビール製造量は10年間で11%も増加しています。今後もさらに増加傾向にあると言われており、まさに注目の市場だと言われています♪
ビールの原料
日本の酒税法では、麦芽、ホップ、水その他政令で定められている物品がビールの原料です。
麦芽(モルト)
麦芽とは、麦を発酵させたもので、麦に含まれるデンプンやタンパク質を糖やアミノ酸に分解する酵素を生み出すことが目的です。
麦芽にも種類があり、これを変えると、ビールの味や香りに影響します。
ペールモルト
基本の麦芽で多くのビールに使用されています。
時間をかけて低温で乾燥させた麦芽です。
ウィートモルト
小麦の麦芽で、ビールを白濁させます。(タンパク質が多いため)。またビールの泡もちが良くなります。
ウインナーモルト
ペールモルトより高温で乾燥させたもので、ナッツの様な香ばしさが特徴。
カラメルモルト
麦芽に水を含ませてから乾燥したもので、カラメルの強い香リト、甘みのあるビールに変身。
チョコレートモルト
色通りチョコレートの様な色をしており、香ばしいナッツ風味を持つ。
ブラックモルト
高温で焦がしたもので、スモーク臭がつくものもあります。主にブラックビールに使われます。
ホップ
麦とホップなどよく聞くホップですね。
実はホップはつる性の植物なんです。収穫時期には7Mにもなる植物で、これはビールに爽やかさと爽快な香りを与えます。
またホップの成分には、あわの形成や泡持ちをよくする成分と殺菌作用が含まれており、ビールを清浄化する働きもあります。
ファインアロマホップ
アロマホップやビターホップに比べて、穏やかな香りを持ちます。
アロマホップ
ファインアロマに比べて強い香りを持ちます。
ビターホップ
ファインアロマやアロマに比べて苦味が多い。
水
ビールの原料の9割以上は水でできています。
ビール醸造にはカルシウムやミネラルを多く含んだ水が適しています。
硬水
カルシウムとミネラルを多く含む水で、ビールの色を濃く、味わいを深くする作用があります。
軟水
カルシウムやミネラルが少なく、色を薄くシャープな味わいにしてくれます。
副原料
日本では、政令により「麦他政令で定める物品」にしています。
副原料は、ビールの味を調整する麦や米、とうもろこしなどと香辛料などがあり、すっきりした味にしたり、特徴的な味に変化させる働きがあります。
- 麦(大麦、ライ麦)
- 米
- とうもろこし
- デンプン
- 着色料
- 果実及び香辛料
酵母
ビール醸造に使われる酵母は直径5〜10ミクロの微生物です。
酵母は糖を分解し、アルコールと二酸化炭素に変える働きを持ち、香りや味を大きく左右させます。
エール発酵酵母
発酵温度は、15~25度で、期間は3〜5日。
バナナに似たエステル臭が特徴で奥深い味わい。
ラガー発酵酵母
発酵温度は10度で、期間は6〜10日。
シャープな飲み口が特徴。
まとめ
いかがだったでしょうか?
日本は「とりあえずビール」という言葉があるくらい一般的に飲まれているのにビールのこと意外と知らない人が多いのです。
もっとビールを知ればさらなる味わいに出会えるのも魅力だと思います♪
また飲むグラスや温度などは別記事で解説します!